Outline of the exhibition写真展概要

Gose city is located in the south-western part of Nara prefecture’s Yamato Heiya region. It sits within verdant, rolling countryside at the base of Mount Kongo and Mount Katsuragi. Takama lies on Mount Kongo. It is said to be the site of Takama-ga-hara, the legendary dwelling place of the gods mentioned in Kojiki, an ancient Japanese chronicle. From here, Ninigi-no-mikoto and other gods descended to earth to create stories still told in Japan to this day. Gose is the fount of these stories. It is ‘the land where the Gods descended.’ This exhibition portrays Gose from the unique perspective of Tomohiro Muda, a photographer who was born in the city. It will be held at both Akatsukatei, one of the many traditional townhouses found in Gose, and Art Area B1, a modern space in Osaka.

ごあいさつ

御所市長 東川 裕

 このたび、写真展「宇宙のかけら―御所ごせ」を、御所・大阪の2会場で、盛大に開催する運びとなりました。

 御所市は、金剛山こんごうさん葛城山かつらぎさんをはじめとする豊かな自然と、里山から田園へと続く独特の自然景観が広がる田園都市で、特に葛城山のつつじシーズンには十数万人の登山客が御所を訪れます。
 また、歴史も深く、古事記や日本書紀に登場する神々が住まう天上界とされる場所「高天原たかまがはら」は日本の始まりの場所とされ、大和政権を大王家と両頭で担っていた古代豪族葛城氏の本拠地でもあります。また、金剛山は修験道しゅげんどうの開祖、役小角えんのおづぬが修行した山としても知られています。

 今回、自然と歴史が豊かな御所市を被写体として、本市出身の写真家・六田知弘氏が素晴らしい写真を撮ってくださいました。六田氏独自の視点から捉えた御所の姿はみなさんそれぞれに、大きな発見があるかと思います。その発見から御所の魅力を感じてもらえれば幸いです。また、御所市にある御所まち(町家)と、大阪の近代的なスペース、アートエリアB1での開催により、それぞれの場所で違った御所の顔が垣間見れることでしょう。

 この写真展は、国の地方創生加速化交付金を活用して行うものであり、御所市を全国にPRする機会となり、御所市の地域活性化につながる初めの一歩となればと考えております。

 最後になりましたが、この写真展開催にご尽力いただきました関係者のみなさま方、そして素晴らしい御所の写真を撮ってくださいました、六田知弘氏に深く感謝を申し上げますとともに、「宇宙のかけら―御所」が、御所市の魅力発信のきっかけとなることを祈念申し上げ、ごあいさつといたします。

葛城のあたりと六田知弘さんのこと

青柳 恵介(古美術評論家)

 若い頃から、当麻寺たいまでら二上山にじょうさんのあたりはときどき歩くことはあったけれども、九品寺くほんじ一言主神社ひとことぬしじんじゃ、それから高鴨たかかも神社などを訪れたのは六十歳を過ぎてからのことである。以来、数えてみると一年に一度の割りで今日まで七回、葛城かつらぎ金剛こんごうの麓を歩いている。ただしまだ二つの山の山頂には登っていないのだが。河内の方から葛城、金剛を眺め大和の側からそれを眺める経験は味わい深い。別の山のように見える。私に御所ごせのあたりを歩くきっかけを作ったのは、一つは白洲正子しらすまさこさんの歩いた土地を丁寧になぞってみようと思ったこと、もう一つは六田知弘さんから御所のあたりの話をときどき聞いたことによる。埋もれてしまった古い歴史がこの辺りには堆積していて、限られた文献からはうかがえない歴史を想像しながら、高台から大和盆地を見下ろしつつ私はこの地の春夏秋冬を楽しむのである。白洲さんは葛城という地名の響きを愛した。六田さんはお祖父さんに連れられこの辺りをいつも散歩していたという。東国の武蔵国なぞに生まれた私にはうらやましい話である。新古今和歌集の恋歌の巻頭歌に、よそにのみ見てややみなん葛城や高間の山の峰の白雲というよみ人しらずの歌が置かれている(当該歌の出典は和漢朗詠集)。巻頭歌にこの歌が撰ばれた意味は重い。この歌の次には吉野の滝の歌が置かれている。葛城の山、吉野の滝、これは新古今和歌集が古代的なものを抱えようとする編集意図を持っていたことを示すだろう。
 かつては金剛山をふくめて葛城山と呼んでいたし、御所市に今も高天たかまという地名が残っているから、「高間の山」は金剛山のことと思われる。標高千メートルを少し超す金剛山にかかる白雲を見上げ、あの人も遠くから見るだけで終わってしまう恋なのだろうかと嘆じている歌であるが、明るくたけの高い、いい歌である。金剛山中腹の、天孫降臨の神話を伝える高天彦たかまひこ神社に行くと、下界ではまだ積もっていないのにうっすらと積もった雪を見ることもあるし、夏も涼しい。私は、いかにも神さびた高天彦神社のお社(しかし、あの屋根の瓦はなんとかならないものでしょうか)にお参りすると、決まってあの新古今恋歌の巻頭歌を思い出す。「高間の山」は平安時代には桜の名所でもあった。
 高天彦神社から東を眺めると、もう吉野は指呼しこの間である。空を飛べは、一っ飛びだ。役行者えんのぎょうじゃが葛城から吉野の金峰山きんぷせんに橋を架けようとしたというのが実感的に頷ける。一言主神が働かなかったから中途で挫折した「久米くめ岩橋いわばし」だ。役行者の構想は壮大である。しかし、葛城、金剛、そして吉野と大和を取り囲む山々に入って修験しゅげんを積むことは、平地の権力者にとっては国家の宗教政策を脅かすものに思われたに違いない。
 唐突だが、私は六田さんの血の中に役小角えんのおづぬの血が流れているのではないかと思うことがある。六田さんはよく吉野の話をする。それに万葉集に「六田の川」(吉野川の一部)という地名も出てくるので、長いこと六田さんは吉野出身ではないかと思っていた。が、実際は御所の出身である。御所から吉野へ、これは役行者のルートである。六田さんの写真には山林修行者が眺めたであろう風景がたくさんあって、身体を揺すられるようでもある。役行者の末裔という所以である。
 高鴨神社の池も私の好きな景色である。山から流れ落ちて来た水が満々と湛えられ、木々に潤いを与えている。貴重な農耕の灌漑用水としても利用されたのであろう。池の周りを散策していると、山の神は同時に水の神でもあったことが、ごく自然に納得される。そして、また役行者が鴨氏の出身であったことが想起され、出生の「葛木ノ上ノ郡茅原村」からこの辺りまで、同じ御所市ながらかなり広範囲にわたる縄張りを持っていたことに驚く。高鴨神社の祭神は、アジスキタカヒコネの神という出雲神話の神である。葛城氏と鴨氏と出雲神話はどうつながるのであろうか、私には分からないことだらけである。しかし、分からないながらに面白い。高鴨神社の宮司さんの話によると、この辺りには製鉄の技術が早くから伝わっていたという。一方で、宮山古墳からは大陸渡来の最新の文明を物語る発掘品が沢山出土している。それらは山の向こうの河内王朝とどうつながるのであろうか、高鴨神社の境内には悠久の時間が流れている。
 また唐突だが、六田さんの写真を眺めていると、一瞬の風景の中に悠久の歴史の欠片をとらえることに写真家の仕事を見出しているように見える。ヨーロッパのロマネスクの寺院の彫刻を写すことも、雲岡の石窟の彫刻を写すことも悠久の歴史の中の一瞬である。そして御所の空を飛ぶ虫の姿を写すことも同じなのである。その写真は私にはこう語りかけているように見える。悠久の歴史などというものは観念に過ぎない。それをまるごと捕まえようとしたら、如何なる一瞬をとらえるかということ以外にはないのだ、と。
 葛城山の山頂に立つと、大和三山に囲まれた藤原宮など、箱庭のように見えるという。私はいずれロープウェイに頼らずに登り、その景色を眺めようと思っている。

開催概要

写真展タイトル:写真家 六田知弘「宇宙のかけら―御所 GOSE」

会期:2017年3月8日(水)から3月31日(金)まで ※大阪会場は3月19日(日)まで

会場:

大阪会場

京阪電車なにわ橋地下1階コンコース「アートエリアB1」

会期:3月8日(水)から3月19日(日)

休館日:3月13日(月)のみ休館

開催時間:10時~19時

入場料:無料

 

御所会場

御所まち(町家)「赤塚邸」

会期:3月8日(水)から3月31日(金) ※会期中無休

開催時間:9時~17時

入場料:無料

関連イベント:

<トークイベント>

相田みつを美術館館長の相田一人氏と写真家六田知弘の対談。

(2人は大学の同期で、相田氏は六田知弘が写真家となるきっかけとなった人物。)

[大阪会場]3月10日(金)19時から ※申込不要・参加費無料

[御所会場(アザレアホール)]3月11日(土)14時から ※事前申込制・参加費無料

 

<ギャラリートーク>

写真家六田知弘による作品解説です。

[大阪会場]3月18日(土)、19日(日)14時から 

※申込不要・参加費無料

※会場のアートエリアB1へ直接お越しください。

[御所会場]3月12日(日)15時半から 

※申込不要・参加費無料

※会場の赤塚邸へ直接お越しください。

主催:奈良県御所市

会場構成:上田 英司(シルシ)

展覧会グラフィック:上田 英司(シルシ)

企画制作協力:六田知弘写真事務所

協力:株式会社インプレオ

問い合わせ先:御所市役所 企画部企画政策課
Tel:0745-62-3001/Fax:0745-62-5425

公式Webサイト:http://gose-muda.jp/

Facebookページ:https://www.facebook.com/gosemuda/

公式Twitter:https://twitter.com/gosemuda/

写真展チラシデータ

Title: Tomohiro Muda “GOSE – Fragments of the Universe”

Date: Wednesday, March 8 – Friday, March 31, 2017 *The Osaka exhibition runs until Sunday, March 19

Venue:

[Osaka]

Art Area B1, B1 Concourse, Keihan Electric Railway Naniwabashi Station

Date: Wednesday, March 8 – Sunday, March 19

Holiday: Monday, March 13

Times: 10am–7pm

Entry is free

 

[Gose]

Akatsukatei (traditional townhouse), Gose Town

Date: Wednesday, March 8 – Friday, March 31, 2017 *Open every day

Times: 9am–5pm

Entry is free

Events:

< Talk Event >

Mitsuo Aida Museum President Kazuhito Aida talks to Tomohiro Muda

(The two men met at university and Mr. Aida played a pivotal role in Tomohiro Muda becoming a photographer)

[Osaka] From 7pm, Friday, March 10 *Applications not required, entry free

[Gose (Azalea Hall)] From 2pm, Saturday, March 11 *Applications required, entry free

 

< Gallery talk >

Tomohiro Muda discusses his works

[Osaka] From 2pm, Saturday, March 18 – Sunday, March 19, 2017

*Applications not required, entry free

* Please come directly to the venue, Art Area B1

[Gose] From 3:30pm, Sunday, March 12, 2017

*Applications not required, entry free

* Please come directly to the venue, Akatsukatei

Organized by: Gose City, Nara Prefecture

Venue Production: Eiji Ueda (SHIRUSHI DESIGN FACTORY)

Exhibition Graphics: Eiji Ueda (SHIRUSHI DESIGN FACTORY)

Planning and Production cooperation: The Office of Tomohiro Muda

In cooperation with: IMPLEO Inc.

Contact: Planning Policy Division, Planning Department, Gose City Office
Tel: 0745-62-3001/Fax:0745-62-5425

Official website: http://gose-muda.jp/

Facebook page: https://www.facebook.com/gosemuda/

Official Twitter: https://twitter.com/gosemuda/